水質が海水と淡水で何が変わるのか。
競艇場(ボートレース場)は場所によって、海水、淡水、汽水(双方の混ざったもの)など水質が異なる。
水面の波で影響が出るのは簡単に理解できるだろうが、水質が変わるとどのような変化が出るのだろうか?
水質の影響では塩分濃度と水の硬さが関係している。
海水の特徴
海水は塩分濃度が高い。
塩分濃度が高いほど浮力が増すため、体重の重たい選手が有利になるのだ。
競艇は男性50kg、女性47kgの最低体重がある。
最低体重を大幅に超える選手は少ないが、男女で最低体重の違いがあるため、女性に不利な水質だと言えるのだ。
また、海水の競艇場は海に隣接していて、潮の満ち引きの影響を受ける特徴がある。
潮が満ちるほど波が立ちやすくなり、全般的にプール水面に比べてコンディションが荒れやすい。
平和島競艇場
平和島競艇場は、平和島と大森の海岸の間にある運河を利用した競艇場。
競争水面は海で、水質はもちろん海水。
潮の満ち引きによる潮位の差があるが、東京湾からの波が直接入ってくることはない。
そのため波は穏やかであるが、舟などが近くを通過する場合があり、その時に限り第1ターンマーク付近にうねりが発生するというのが、平和島競艇場の特徴。
また、付近を建物に囲まれていることから、強風が吹きやすい春先などはビル風と合わせてかなりの荒水面になり、全国平均で見ると走りづらい水面となる。
また、平和島競艇場は、1コース勝率が40%と全国最低である。
勝率を下げる原因は「斜行の禁止」である。その代わり、他の場よりも捲り・差しが決まりやすくなっている。
淡水の特徴
淡水は水を含まない水質で、人工プールや一部の河川を活用したボートレース場の水質。
塩分を含んでいないため、海水に比べて浮力が少なく重たい選手は不利になる。
また、淡水は海水や汽水に比べて水質が硬くなる。
水質が硬いと走行中の抵抗が大きくなり、スピードを乗せて走るほど抵抗を受けにくくなる。
ギア付きの自転車で重たいギアにすると、低速から加速するのは大変だが、ある程度スピードを乗せれば少ない力で漕ぎ続けることができる原理と同じある。
水質が硬いほどモーターの出力の差が表れやすくなるので、ボートの抽選やペラの調整状況が重要になってくる。
淡水のコースでも競艇場によって水質の硬さはわずかに変わってくる。
汽水の特徴
汽水は淡水と海水が混ざっている水質で、河川や河口付近の水を利用した競艇場で見られる。
汽水は場所や潮の満ち引きによって塩分濃度が変わる。
特性は海水と淡水の中間になりますが、ボートレース場によって特性が大きく変わる。
淡水で有名なのは浜名湖、江戸川、福岡があり、浜名湖の場合は走りやすいことで有名。江戸川と福岡は難水面と言われている。
江戸川競艇場
汽水競艇場の中で特に有名なのは、江戸川競艇場である。
流れがある上に潮の干満の影響を大きく受ける。
水面があれた場合、あれ水面の巧拙が出て、当地巧者の出番が増えることが必須である。
一般的には
- 上げ潮のときはスロー有利、下げ潮のときはダッシュ有利
- 追い風のときはスロー有利、向かい風のときはダッシュ有利
- ですが、潮流と風向きがぶつかりあうと、うねりをともなう波水面になる
さらに、雨が降ったりすると水量が増えて流れも速くなり波も高くなるので、ますます難しい。
とりあえず、「波巧者」「江戸川巧者」と呼ばれる選手には注目。
そして、モーターのパワー差も如実に出るようになるので、強力機に乗った選手にも注目したいところである。
最後に
水質の違いは重やモーターの性能に影響が出る。
選手によって好き嫌いがあり、また、水質だけではなく水面の荒れやすさも競艇場の水源によって変わってくる。
選手ごとで競艇場によって得意・不得意があるので予想するときはボートレース場ごとのデータを見る必要があるのだ。
モーターは競艇場ごとに用意して抽選で決まるので、モーターの成績を見ればその競艇場で強いのか弱いのかを判断できる。
このほか、体重を見ることで硬い水面と柔らかい水面の優劣を判断。
重賞や交流戦など、幅広い地域の選手が集まる場合は水質の適正を判断することが大切だある。
ただし、枠順や選手の実力(ランク)に比べると優劣の差が出るのは僅かである。
重たい選手やハズレモーターは無条件で買い目から外すといった大胆な予想をするのではなく、他の予想要素にプラスアルファとして水質の適正を加えるようにして予想を出そう。
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